メランコリック
飲み会から2日後のことだ。
俺は藤枝と二人きりになる機会を得た。

藤枝は通し勤務、俺は遅番。
バイトの連中は帰り、二人だけで締め作業中というお誂え向きの状況。

俺は飲み会の日から、どこか常に浮かれていた。
藤枝にどう切り出そうか。
いじめをやめてほしい。そうあいつの口から言わせたい。

そうしないと、藤枝汐里に勝った気がしない。
思えば、この欲求は征服欲に似ている。


「なあ、藤枝」


先に提示業務が終わった俺は、スタッフルームに藤枝が戻ってくるのを待って、声をかけた。
藤枝はまだ俺が居残っていると思わなかったようで、ドアを開けるなり驚いた顔をする。


「おまえって処女?」


「え?なに?」


さすがに藤枝が動揺した声を出した。
俺から踏み込んだ下世話な問いが来ると思わなかったのだろう。
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