メランコリック
「まだ、二年目だもんね。ゴメンゴメン、そんな感じだよね」


兵頭さんはあっさり引いた。すがりつくのはプライド的に無理だったみたいだ。


「俺がもうちょっとイイ男になったら、またお願いします」


「アハハ、そうするわ」


あー、疲れた。会話を思い出すだけで、うんざりする。

コンビニに寄って、炭酸飲料を買う。
以前、ここで藤枝と会ったことを思い出す。

藤枝は今頃家にいるだろうか。
藤枝の顔が見たい。

セフレになれなんて、断られるとは思っていた。
でも、言ってみたかった。

100万分の1くらいで「OK」が出るかもしれないと思ったから。

俺は、なんでこれほど藤枝に突っかかるんだろう。
どうして、藤枝ばかりを気にして、いびらずにはいられないんだろう。
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