メランコリック
誰かとわかり合える幸せ。
手に入らないと諦めて、耳を塞いで、孤独を居心地の良いものと思い込んできただけじゃないの?


……やめよう。こんな埒も無いことを考えるのは。

相良にキスされたくらいで、これほど揺れるなんて。
私はきっと疲れているんだ。

早く「あの話」が実現しないだろうか。

私は朝食のパンを保存ビニールに戻し、コーヒーを一口飲んで流しに捨てた。



*****



職場に到着すると、杉野マネージャーがいた。通し勤務の相良もすでにいる。
私は気まずい顔をしないように細心の注意を払って、二人に挨拶をした。


「おはよう、開店の準備前にちょっといいかな」


杉野さんはバイトの子たちを掃除にフロアへ出すと、私と相良に向かって言った。
仕度前にミーティングをすることはある。しかし、私たち正社員だけに話のようだ。

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