嗚呼っ、美しきイケ麺’sよ!

「本当にか?」

「ウソ吐いたことねぇぜ、おらぁ」

「これでもう、一回ウソ吐いたことになるよね、うどん」


 目を見開いたざるそばは、一旦歩を止めた。ニカッとわらったうどんを凝視する。ウソを吐いているようには見えない。

 そばはにこやかにうどんにツッコんだ。

 ジリジリと照りつける太陽と、それに輪をかける様に蝉がジィジィ鳴く。


「ほら。こんなとこで止まってたら暑いだけだよ。そうめんくんとこまで行こう?」


 そばはそう言うと、立ち止まっているうどんとざるそばを置いて、一人で歩き出した。


「そばの言う通りでぇ。行くぞ」

「・・・チッ」


 舌打ちをしたざるそばは、後頭部で手を組んでいるうどんについて歩いた。

 せめてもの抵抗に、そこに転がっていた小さな石っころを蹴飛ばした。

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