嗚呼っ、美しきイケ麺’sよ!
とんこつくんとしおくん
「はぁ。キリがありませんね」
「ああ?!ケンカふっかけてきたのは、てめぇの方だろがあ!」
「は?そんなこと、あるわけないじゃないですか。この僕が?八ッ。そんなことありませんよ」
「あああんっ?!てめ、どんだけ自分ラブなんだよ!ナルシ野郎め!」
「キリがないとか言っときながら、まったく終わる気配が感じられないんですが。そこのところどう思いますか。みそ教授」
「ふぅむ~。そうじゃなぁ。とんこつはたんぱらじゃし、しおはしおで、とんこつちょして遊んどるでなあ。どっちもどっちじゃな~」
「え。方言連発するの、止めてもらえる?『たんぱら』って何よ。『ちょして』って何ね」
「『たんぱら』は『気が短い』。『ちょして』は『からかって』って意味」
二人の騒ぐ声が一段と大きなる中、しょうゆとみそは北海道弁について話が盛り上がっていた。
「こらあ。最終下校時刻、もうすぐだぞー」
「あ、はい」
「んじゃ、帰るかねえ」
教室のドアが開き、学年主任が首だけを四人がいる教室に突っ込み、声をかけた。
それに反応したのは、しょうゆとみそのみ。只今絶賛ケンカ中の二人は、まだギャースカ騒いでいる。
「ほーらー。帰るよ、とんこつ、しお」
バックを担ぎ、しょうゆが二人の背中をポスポス叩いて言う。
「そうですね」
「てめっ!!逃げんのか!ああん?!」
「そんなわけ」
「はいはい。もう、いたちごっこだからやめよーねー」
ガタとイスから立ち上がったしおに、とんこつはガタンッと音を荒立て、イスから立ち上がった。売られたケンカは買うタイプなのか、しおの眉毛がピクリと上に吊り上がり、とんこつに反論しようと、机に両手をついたのとほぼ同時に、しょうゆが二人を止めに入った。
「チッ」
「チじゃないですー。ほら、ケンカしないー。帰るよー」
とんこつの首根っこを掴み、しょうゆは教室を出た。
それに続いて、みそ、しおが教室を出た。