甘い時 〜囚われた心〜
どれぐらいの時が流れたのか…
1時間?
 2時間?


永遠に続くかと思われた快楽の波が止まった。

「雛子…力抜け…」

「…え…?」

目の前で自分を襲っている男に、一瞬、欲情してしまった。

余裕がない表情
流れる汗
何より低く全身を駆け巡る声が雛子を捕らえて離さない。

「優しくなんて、できないぞ」

その言葉と同時に下半身から、全身を串刺しにするような痛みが走った。

「やぁ!…んっ痛…い」

「くっ…力抜け」

「痛…い…止め…て…」

肩で息をして、痛さに涙が溢れてくる。

(なんで…こんな目に会わなきゃならないの…)

体を結ぶ行為は、大切な、たった一人の人と…

当たり前のように思っていたし、雛子には、まだまだ先の話だと思っていた。
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