甘い時 〜囚われた心〜
ドアノブに手をかけた。

雛子の動きが止まる。


(今…今言わなきゃ…)

「あっ…あの!」

扉に向いたまま、桜華に背を向けたまま言う。

「…なに?」

静かに声が響く。

ゴクリッと喉が鳴る。

緊張していた。

「あっ…ありがとうございました!」

突然に切り出した雛子に、意味が分からなくて眉間にシワがよった。

「…感謝されるようなことした覚えがないんだけど…?」

雛子の心臓は飛び出そうだった。

不思議なくらい緊張していた。

「盟和との事です」

桜華は何も言わない。

「私の為に、交流会を考えてくれてたって…」

「結局、裏目にでたがな…」

「そんなこと!………嬉しかった……」

桜華は、どんな顔してるんだろう…

でも、見れない…

「それに…車の中でも…ずっと…抱き締めていてくれた…嬉しかったの…」

「どうして?」

「っ!!」

いきなり至近距離から声がして、振り替えた。
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