甘い時 〜囚われた心〜
自分の腕の中、グッスリと眠っている雛子を抱き上げ、自分のベッドに運んだ。

「んっ…」

少し眉間にシワを寄せたが、また静かな寝息を立てた。

軽くキスをすると、部屋のドアをユックリと閉めた。

ユッタリとしたブランドのジャージ・羽織っただけの白いシャツ。

見え隠れする割れた腹筋。

乱れた黒髪をかきあげた。

男なのに言い様のないほどの色気を振り撒いていた。

「おはようございます」

廊下をすれ違う使用人達が、振り替える。

「あぁ…おはよっ」

ほほを赤く染めた。

桜華の背を見ながら、コソコソと話をする。

「桜華様、いつにも増して色っぽいわぁ」

「それにご機嫌もいいみたいね。挨拶を返してくれるなんて…」













「何時か分かってますか?」

背後から声がした。

振り替えると尚人がいた。

「さぁ?」

「まったく…学校の方は連絡しています。会社の方は、どうされますか?」

「休む…」

「はぁ…分かりました。結構ですが、もう少し加減して下さい」

「はいはい…」

面倒くさそうに、髪をかき上げながら返事をする。

「それと…雛子様の事、どうなさいますか?やっと、初恋も実ったようですし」

少しバカにしたように言った。

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