甘い時 〜囚われた心〜
「この屋敷にいるヤツ全員に伝えろ。今日から、雛子には俺の女として使えるように」

「かしこまりました。旦那様には?」

その言葉に、ふと視線を床に落とした。

「桜華様」

「あぁ…すぐには話せねーよ。どうせ、人の話なんて聞かねぇ」

「分かりました」

「すまないがよろしく頼む…」

その言葉に、一瞬眉を寄せた。

「素直すぎて気持ち悪いです…」

「うっさい!」

「まぁ、雛子様は唯一の弱点ですからね」

弱味を握った嬉しさからか、ニヤニヤと笑っている。

「…死ね…」
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