甘い時 〜囚われた心〜
サラサラした栗色の髪

白い肌

パッチリとした大きな瞳

長いまつ毛

イチゴの様に赤い唇

口元の左側にあるホクロが印象的だった。

どちらかというと、雛子とは対照的な洋風な顔立ち。

「神楽 祐希奈です。どーぞ、ヨロシクお願いします!」

ニッコリと微笑んだ姿がフランス人形のように愛らしかった。

「かわいい!」

男女問わず漏れる声。

「祐…希奈ちゃ…ん」

雛子の顔色が変わる。

祐希奈が桜華に気付き走りよってきた。


「桜華様!」

ニコニコと笑い、桜華の前に立った。

「なんで…お前が…」

不機嫌そうに眉間にシワを寄せる。

桜華の横にいた雛子に視線を向けると笑いかけてきた。

「雛子ちゃん…久しぶり…」

雛子は返事を返すことができずに立ち尽くしていた。

「知り合い?」

一人の生徒が祐希奈に聞いてきた。

「うん。雛子ちゃんのパパと私のパパが兄弟なの。雛子ちゃんのパパが亡くなって、私のパパが家を継いだんだけど、雛子ちゃん、居づらくなったみたいで家でしちゃって…桜華様のお家にいるのは、桐生院の叔父様から伺っていたから心配してたのよ…」

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