無垢な瞳
客席から割れんばかりの歓声が響いていた。

六の四の演目が終了したのだろう。

そしておそらく、ここが今現在の段階で第一位になっているに違いない。




アキが言った。

「みんな、今日の日を忘れないでね。卒業して離れたって、今日の日の出来事はずっと変わらない。私たちの胸の中で生き続けるわ」

全員が手をつないで輪になった。

「気持ちを一つに!」

さあ、僕らの出番だ。

僕は沢村先生の所に行って、コウを預かった。

僕はコウの手を握り締めた。

「大丈夫、大丈夫、きっとうまくいく」

コウを安心させようとして言った声かけのつもりだったが、明らかに自分自身に言っていた。

「大丈夫、大丈夫、きっとうまくいく」
< 138 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop