幼なじみはクールボーイ
「伊吹が好きな人…私と悠と伊吹と…悠のお姉ちゃんの幼なじみなの」

わずかに涙腺が緩むのを感じながら言葉を続ける。

「昔から心臓の病気でね、それで…
私たちが中学1年の時に…」

悠はチラッと私を見て心配そうな目を向ける。

波(なみ)ちゃん…

彼女の名前は波、という名前だった。

波みたいに…すぐいなくなっちゃったな…

ほんとに…

波ちゃんは小さい頃から入退院を繰り返してたけど、

ある日突然発作が起こってそのまま…

ほんとに呆気なかった。

伊吹…泣く、なんてものじゃなかったな…

もうこの世の終わりみたいな…

だから…波ちゃん以外の人、好きにはなれないんじゃないかな…

「…そっ…か…
そう…だったんだ…」

智美がそう言ってはは、と笑う。

< 367 / 439 >

この作品をシェア

pagetop