幼なじみはクールボーイ
「病気かぁ…
それがなかったら立野君、付き合ってるんだろうなぁ。
だってあんなにかっこいいもんね?」

そう言ってじわっと涙を溢れさす智美。

「智美…」

「いいんだ…諦める。
私は…その人にはなれないし、正直その人がいなかったとしても立野君は私のこと好きにはならなかっただろうから。
手応えとか…まったくないし…」

そう言って力なく微笑む智美。

「…スッパリ諦めるよ。
漫画とかなら告白して諦めるんだろうけど、私はそんなのできないの。
その人しか心の中にいないだろうから…」

智美はそう言うと立ち上がった。

「話してくれて…ありがと」

そう言うとフラフラした足取りのまま店を出て行った。
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