無声な私。無表情の君。
最初から俺のペースで喋りっぱなしだった。彼女も歩きながら筆談するのに慣れているのか。そんなには困っていなかった。

勿論、歩くペースは彼女に合わせた。俺自身、小さな歩幅で何度もつまずいた。

珍しく彼女から質問してきた。

【表情、堅いって言われません?】

なんだ、そんな事か。

「言われるよ」

しょっちゅう。もっと笑え!って岡崎に言われたりするし。
俺ってそんなに表情堅い?

じゃあ、次は俺からの質問。
何、聞こう。朝について聞いてみる?
よし、それでいこう。

「今日、俺の事避けたでしょ。あれって何で???」

この瞬間から彼女の心に傷が入ったなんて知りもしないで俺は。

馬鹿だよな。本当に。
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