冷血上司の恋愛論
時間が時間だ。にも拘らず、夜分を詫びる言葉を並べず威圧的に断るなという雰囲気を出した電話。田所が不信感を抱かないわけがない。


「それは、アイツのことで?」


近くに嫁がいるのだろう。あえて、名前を言わないことで、俺にそれを伝える田所は思ったより、出来る男かもしれない。


だが、俺は優しくない。理解はしたが、受け入れるかというと別問題だ。昼間、幸せそうにしていた嫁に少しくらい藤井の代わりにダメージ与えたっていいだろう。


「アイツとは?」


「……。貴方の部下」


そうか。そういう言い方も出来るのか。


やはり、田所は頭のキレる男。再確認して、俺は、再び、威圧的に出る。


「その部下が、そちらに伺ってから泣いていたのは何故ですか?元カレとは聞きましたが、その元カレさんが嫁の前で元カノを目で追うのは何故ですか?辛いなら担当を外そうとした俺に、その必要はないと言った彼女の気持ちがわかりますか?……それから藤井が酔うとどうなるのかご存じですか?」
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