冷血上司の恋愛論
「そこまでは。それにしても二人はどういう関係?」


「気になるか。珍しいな。万利乃に興味持ったか?一度寝たくらいで」


「……なっ!!それ、藤井が?」


「じゃなきゃ知らねーよ。まあ、万利乃を慰めた男がお前だったことに驚いたけどな。」


「それは……」


返す言葉がない。親にヤったのがばれたのと同じ心境だ。


「別に責めてねーよ。寧ろ、感謝かな。旅行先から帰った万利乃が明るかったしな」


「藤井を専務から奪いたいくらいに惚れ込んでいるって言ったらどうしますか?」


「ハハ。万利乃は、俺の大事な子には変わらないが、俺のじゃねーよ。本音を聞けて安心した。本気なんだな?」


「はい」


「なら、後は万利乃次第だ。俺が口を出すことじゃねーよ。ただ、田所のクソガキみたいに傷つけることがあったら、殺してやる。聞いただろう、田所のこと」


「いや、いきさつは、想像でしかないですけど」


「おそらく、それで合ってる。じゃー、頑張れよ。俺を敵視しているカチョーさん」
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