ぼくたちはあいをしらない
「なんか楽しそうな話してるじゃん!」

 みゆきが、そう言って麻友と静香とともに現れる。

「サッカーだってさー」

 茂が、ちょっと照れながら答える。

「いいじゃん。
 サッカー。面白そうじゃん!
 私たちも混ぜてよ」

 みゆきが、そう言うと柾が答える。

「ダメだ」

「どうして?」

 麻友が、そう言うと柾がため息混じりに答える。

「お前らスカートだしな。
 パンツ見えっぞ?」

「じゃ、着替えてくる」

 みゆきが、そう言うと柾がニッコリと笑う。

「なら、大丈夫だ!」

「交渉成立!」

 麻友が、ニッコリと笑う。
 静香は、話さないちょっと笑って会話に相槌を打つだけだった。
 茂は、静香に少し親近感を持った。
 なぜなら自分もそういう立ち位置にいると思いたかったからだ……

「じゃ、ランドセル置いて3時半に公園な!」

「うん!」

「来島、雨宮も一もランドセル置いてこいよ。
 俺は、先に公園で待ってるからさ」

「うん。
 中居くんは家に帰らないの?」

「ああ、家に帰っても誰も居ないしな」

 柾がそう言って苦笑いを浮かべた。

「そっか……」

「僕も一緒に公園に行くよ」

 一が、そう言って柾の方を見る。

「ありがとう、一。
 でも、気にするな」

「その間寂しくない?」

 一の言葉に柾が笑う。

「そういうのは慣れっこだ。
 ささ、早く帰って早く来てくれ」

「ああ。
 わかった」

 達雄が、そう言って茂の手を引いてその場を後にした。
< 44 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop