嘘恋




次の日。







ルンルンっと学校に向かう。









そして、いつもみたいに窓を眺めて校門をみていた。








…成瀬まだかなぁ。










「…ーおい香奈」






「ん?」









あたしを呼んだのは担任の先生だ。








「なにー?」






「今日成瀬休むみたいなんだけど、なんか理由聞いてないか?」






「え…?休みなの?」






「あぁ。なんかよくわからないけど休みますってだけ言って電話切られたんだよ。掛け直してもでないし」






「…あたし知らない」






「そうか。わかったよ」








…成瀬がそんな態度とるなんて珍しい。





もしかして…また、会えなくなるなんてことないよね?


昨日ちゃんと来てくれたもん。




…やだよ。








するとポッケの中で携帯が揺れた。







成瀬からだ!





急いでメールを開く。








『会いたい』








それだけの短い言葉。




やっぱり何かあったんだ。




『学校終わったら連絡するね』










それだけ送ってポッケの中にしまった。







…なんかいつもと違う。







不安を隠しきれず、また携帯をポケットから取り出して握りしめた。








早く…会いたい。


< 56 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop