スセリの花冠
ディアランの笑顔に釣られて、愛世も笑った。

「そうよ。私がディアランを守る。病める時も健やかなる時も、あなただけを見つめて」

ディアランは堪えきれずに愛世を寝台に押し倒すと、そっと口づけた。

「…ディアランったら」

焦る愛世を見て、ディアランは声をあげて笑った。

眼を真ん丸にした愛世があまりにも愛らしくて、囁くように言葉を返す。

「分かってる。傷が癒えるまでは……我慢するから」

「……」

「治ったら……君を俺のものにしてもいい?」

「ディアラン、今…あなたのものになりたい」

アイセ……。

目の前の漆黒の瞳が、真剣な光を宿している。

それを見つめながら、ディアランが艶やかな声で問う。

「後悔しないか?」

「しないわ」

その答えに、ディアランは愛世を胸に抱いたまま身体を回転させ、今度は彼女を真上から見下ろした。

それから悪戯っぽく瞳を光らせると、再び形のよい唇を開く。

「…今ダメだと言われてももう遅いぞ」

「ん」

「愛してる」

「私も」

幸せなふたりの隣で、スセリノカカンが夜風に揺れた。


ー完ー



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