「お前は俺のモノ」【完結】
気付かれない様に、その場を立ち去ると私はすぐにトイレに駆け込んだ。
ドキドキと早鐘の様に鳴る心臓を、抑えたくて。
きっと、顔だって真っ赤だ。
顔が熱い。
ピアノ…弾けたんだ。
それはどの噂でも聞いた事がない。
陽子から聞いた事もない。
あまり知られてないのかもしれない。
それじゃあ、と、勝手に自分だけの秘密にしたんだ。
だから、私と彼が接点あるわけじゃない。
話した事もなければ、目が合った事すらない。
きっと、私の存在すら知らないだろう。
いいんだ、それでも。
私は彼を好きだから。