「お前は俺のモノ」【完結】
「なーに顔背けてんの?」
やたらと甘い声で囁く。
「そんな、事っ」
「ふーん?」
シャンプーだとか、石鹸のニオイにドキドキが止まらない。
まだ濡れてる髪の毛の雫が私の顔に当たる。
「………」
「………」
ん?
急に黙った彼。
目の前に置いた私の鏡越しに彼を見ると、彼の目線は下に向いていた。
……洋服を見てる?
何か、まずかった?
ダメ出しされるのかな。
「………」
彼はすっと立ち上がると、髪の毛をガシガシとタオルで拭きながら寝室へと入って行く。
私はポカンと口を開けたままだった。
呆気に取られたというか。
何も言われないってどうしてだろう。