離してなんかやるかよ。
「にしても昨日のお前可愛すぎて危うくやりそうだったわ」
「それ以上喋ったり何かに触れたりっていう動作するの禁止」
着替えを終えた俺にアイツは近寄って俺の足元に置いてあるワンピースを拾う。
「やっぱ、今のお前好き」
「ひゃ…っ。不意に抱きつくとか反則なんですけど……」
なにが反則だよ?
俺は柚來を抱きしめて甘く囁く。
「その顔そそってんの?」
その顔のほうが反則なんだけど。
ほかの男にその顔見したら許さないから。
「あ、そ…そう言えば今日お母さん達と会う予定なんだよねー。それにもうすぐ12時だね、昼ごはん食べに行こうかな~」
柚來が俺から顔を背ける。
その顔がやたら赤くて……
「……可愛すぎてムカつくからやめて」
「へっ?」
「お前隙ありすぎ」
振り向いた柚來の唇にキスを落とした。
……ご馳走様でした。
そして俺達は昼食を食べに食堂へ行った。
「おい。颯やった?」
「なにを?」
「あれだよ。あれ」
食堂に来て柚來が大好きなオムライスを食べてると隣に座る松本がそう言ってきた。
「別に」
アイツ寝ちゃったしな。
「え~、まさかやってねぇの?あんな可愛かったのに」
「可愛くねぇよ」
可愛すぎたけど、昨日のワンピースやばかったけど松本が可愛いとか言うから意地張った。
「俺がかわいいって言って拗ねちゃってんの?独り占めしたかったの?」
「うっせ」
別にそんなんじゃねぇから。
いや本当はそうなんだけど柚來を独占してぇなんて、言えるかよ。
「柚來オムライスやる」
なんかしんどいんだわ。
さっきから若干頭いてぇんだわ。