ゴミの妖精と捨て猫のしもべちゃん ※観覧注意






私が連れていかれたのは







私が生まれた場所だったよ。








2LDKの古いアパートだよ。








人間がドア横のピンポンを押すと







お母さんが出てきたよ。








お母さんはずっと探してたんですって








泣きながら私を抱きしめたよ。








ありがとうございます!






ありがとうございます!って








警察の皆様には本当に感謝していますって









何度も私をここまで連れてきた警察に






頭を下げたよ。








この子は好奇心おうせいで







妄想癖もあって






すぐに家を飛び出しちゃって






いなくなるんですって







連れてきた人間に説明したよ。







「次からは気をつけてくださいね」







そう注意して警察は帰っていったよ。








「はい。今後はこのようなことは絶対にないように致します」って








お母さんはそう言って








警察が帰るのを見届けて









私を家の中にいれたよ。








そして私を見るなりこう言ったよ。









「生きてたんだ」








ゴミを見るような見下した目つきで




そう言ったよ。








吐き気がしたよ。








私はゴミの妖精だよ。













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