アイドルなんて、なりたくない<font color=
遊びに来る度に屋敷の中で迷子になり、泣いている二人を優しく抱き締めると、幸せな気分になる。

『大お祖父ちゃま』

優衣と麻衣の笑顔は、慎吾に若さを取り戻させた。

今でも屋敷の奥で、裏側で会社を動かしている。

その手腕には、誰もが舌を巻くが、表上は婿養子の圭介と孫の圭吾の手腕となっている。

慎吾は、屋敷の中で穏やかな隠居生活を送っている。

時々、娘達や曾孫と、お茶会をしながら…



慎吾は、少しだけ過去を思い出していた。

「大お祖父様?」

優衣の呼び掛けにハッとして

「何だい?」

穏やかな声で答える。

優衣は、少し苦笑いを浮かべてから

「大お祖父様こそ、どうなさったのですか?心ここにあらずでしたよ」

そう言うと、紫が笑いながら

「それは、きっと撫子様の事でしょうね」

紫の言葉に、優衣は悲しげな顔をして

「それでは亡くなられた美冬大お祖母様に失礼ではありませんか」

と言うと、慎吾は困ったように

「優衣…」

何か言おうとしたが

「亡くなったお母様も、撫子様を愛しておられた方だから、気になさらないわ」

そう言ってから慎吾に向かって微笑んでから
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