アイドルなんて、なりたくない<font color=
「それにお父様はお母様を、とても大切にしてくださいましたから。最後に逝く時の言葉何だったと思う?」

悪戯っぽく笑う。

「紫、お前」

慎吾が困ったようにしていると

「『これまで大切にしていただいて本当にありがとうございます。旦那様には言葉に言い尽くせない程感謝しております』」

少し面白そうに紫が言い、慎吾は照れたようにしていた。

優衣も感動していたが

「でもこれには続きがあってね。『ですが、私の方が先に撫子に会えますわね。お悔しいでしょう?旦那様。私は、貴方様との勝負に勝ちましたわ』だったの」

言った後にクスクス笑う。

慎吾は、少しブスッとしている。

「前半は感動ですが、後半はオチつきなのですね」

優衣は、どう反応したら分からず、微妙な表情だ。

紫は、カップに紅茶を注ぎながら

「それが、あの方なりの愛情表現でしたのよ」

そう言って、注いだカップを優衣の前に置く。

「愛情表現ですか?」

優衣が首を傾げていると

「フフ…優衣にも、いつか分かる日がくるわ。必ずね」

「はい…」

優衣は、意味が分からないまま、返事をする。

「さて…」

紫は、真剣な顔つきで
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