鉄の女には深い愛情を
そしてまた沈黙………
しばらくして
「天!!!」
いきなり大声で私の名を叫ぶ健夫
ビクッ!!
ちょっとびっくりするじゃないの〜!
恐る恐る健夫の方を向いたら
「………本当に、ごめん!! 今まで悪かった!! で、でもな!お前もわるいんだぞ……あのその…お前が
俺といても笑わないのに……
アニキといると楽しそうにするから…」
もじもじしながら訳のわからない事を言い出した
はっ??!!
理解のできない私は首をかしげる
「だーかーら!お前がいつまでたっても俺を見ようとしないから………
その つい、イジリたくなるというか…その…」
はぁ〜〜っ??!!
何言っちゃってんの!!
「はぁ? はいはい!健夫はそうやって私を昔からずーっと好きかってに虐めて
私を散々泣かしておいて。
そのせいで、私はどんどん強くなって。
健夫がいなくなったから
やっと人並みの幸せを手に入れられると思ったら
周りからは鉄の女とか
心を開かない女とか好き勝手言われて
挙げ句の果てには千里と比較され月と太陽なんて言われてさ!
恋愛だってまともにできやしないっ!!
私の青春、どうしてくれんのよ!!」
もうサイアク!!!
キッと健夫を睨む
「だから、俺が責任とるよ。
俺が天の心を溶かす。
てか、俺がお前をそうしたんだから俺がお前の事は責任持って墓場まで面倒見るよ」
は?
またまた何言っちゃってんの?!!
まぁ、でも健夫も反省してくれてるんなら私もいつまでも捻くれるのはよそう
私は軽く息を吐いて、出来るだけ興奮しないように、穏やかに言った
「無駄だよ。 健夫…
私はそういうの向いてないから
もう諦めてるし。
一生1人でも楽しく生きれるようなプランも考えてるしねっ!
正直、アンタの事はまだムカつくし
反省もしてもらいたい…
でも本心ではわかってるから
もう怒ってないよ。
だから、アンタはアンタの幸せをつかみなさい。 わかった?」
「わかった。 じゃぁー 今までの事
全部水に流してくれる?」
ちょっと伏し目がちで言う健夫。
健夫……
アメリカさんに行った意味あったんだね
今の健夫なら許してもいいかな。
「…いいよ。 水に流してあげる」
「本当に?」
「…本当……」
「本当の本当?」
「本当の本当」
「本当の本当の本当?」
「ええぃ‼︎じゃかぁしいぃ〜!!
女に二言はない!!流すと言ったもんは流すの! ジャー はい流した!
この話はおしまい!!」
「「ぷっ(笑)」」
2人で笑い合う
それから急に、健夫の表情がガラリと変わった
「じゃっ!これから末長く
よろしくお願いします!!天」
えっ?
なんかちょっと話がわからないんですけど??
「さっき、天、俺に、自分の幸せ掴めって言ったろ?
俺さ、ぶっちゃけると、ガキの頃からずーーーっとお前が好きだったんだよね〜
てか、気付いてないの天だけだし。
なのに、お前はアニキに夢中で
明夫くぅ〜ん。
なんていつもいってたから、それに腹が立って腹が立って。ついつい虐めちゃうんだよな〜。
あっ、でも虐めてたことは本当に後悔してるぜ?
だから今も謝ったし。
でも天は水に流してくれるんだろ?
なら、もう俺たちの間のわだかまりも消えたってわけだ!!」
と言って、ニヤッと笑った。
その顔がありえないくらい輝いてて
ちょっとドキッとしたのは
内緒にしておこう。