泣いて笑ってまた泣く
それから一週間が立った。

夏休みが終わり始めての登校となった。

近くの公園で登校班が出発するらしい。

私は緊張していた。

馴染めなかったらどうしよう?

そんな事をずっと考えながら歩いた。

お母さんも一緒に行ったからまだ安心できた。

学校に着くとスリッパに履き替えて生徒の視線を感じながら私は校長室に向かった。

中に入るとソファーが向かい合わせに置いてあり机には綺麗な花が飾られていた。

「時間まで待っとこうか」

校長先生は優しく私達に言った。

コンコンと扉からノックが聞こえた。

入って来たのは40代の太った男性と細い背の高い男性だった。

「5年2組の清家です」

「4年3組の村中です」

太った方が清家さんで細い方が村中さんのようだった。

「どうもよろしくお願いします」

お母さんは深々と頭を下げていた。

「えっと名前は?」

「愛子です」

「理恵です」

「へぇー。どっちがおねいちゃん?」

いつも言われる質問が来た。

「私です」

と答えた。

妹は背が高い。

私より背も横も大きい。

「え?!そうなん」

キーンコーンカーンコーン

チャイムの音がなった。

廊下から人の声と足音が聞こえた。

ゾロゾロと集団のようだ。

「もう少し待っとこか」
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