さよなら、なんて言わないで。





『.....じゃぁ...なんで...』


なんで最初は大嫌いと言ったのか、そんなことを問おうとした俺に気付いたのか、彼女は言ったんだ。



『......人ってね。良い記憶や思い出...楽しかったり、忘れたくない思い出ほど、きっといつかは忘れちゃうんだ。それで、良くない記憶や思い出...つらかったり、忘れたい思い出ほど、ずっと忘れられずに、残るんだよ…。』



だから....とそう言って彼女は伏せ目がちにしていた瞳をまっすぐと俺にと向けた。



『...最後に最低なこと言って、ムカツク女、最低な女でも、最悪な思い出でも....なんだっていいから、少しでもあなたの記憶に残りたかったの....忘れないで欲しいから…』



そして、彼女は俺に背を向けて


『....最後まで自分勝手な彼女でごめんね。』


そう言った彼女の声は弱々しくて震えていた。





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