あと少しだけ。
ひたすら頭を下げて謝り続けたことに、
社長というプライドはかなり傷んだ。

まあ、これも会社を守るためなら仕方ない。

それに、なにかあれば神岡へと伝えたが、これはすぐに対応しなければいけなかったから、仕方ない。

そう言い聞かせて、
やり場のないイライラとむしゃくしゃを
家へ持ち帰った。


家へ帰ると、瑞希が明らかに心配そうな
顔で迎えてきた。

ごめん、悪いけど放っておいてくれ。
うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。

頼むから黙ってくれ。

気がつけば俺は声を張り上げて、瑞希に向かって「うるせぇ」と怒鳴っていた。

瑞希はビクッと肩を揺らしたあと、
驚いた顔をしていた。

なぜかその行動にさえ腹が立って
イライラを全て瑞希にぶつけていた。

すると瑞希は、一言ポソリと
「酷いよ……」
と泣きながら言って家を飛び出した。
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