冷徹執事様はCEO!?
私はベッドにダイブするとゴロリと横たわる。

「失礼します」

田中も布団の中に入ってきた。

「あ、あれ?」私はギョッとして目を見張る。

「添い寝…するんですよね?」

「へ?ああ!そうそう」

自分で言い出したくせに私は動揺しまくりである。

田中は眼鏡を外してドレッサーに置くと、顔を覆い隠す一切のものが取り払われる。

切れ長の瞳を伏せると長い睫毛が嫌味な程に強調される。

改めて田中の美しさにゾクゾクした。

ドキドキを通り越してる。

これ…添い寝された方が逆に眠れないんじゃないのかな。

「はい、消灯」と言って、田中はリモコンで部屋の照明を常夜灯まで落とした。

薄暗い部屋で2人は並んで床に就く。

田中の体温が布団を通し伝わってくる。

どうしよう、緊張して眠れない…。

「燁子様」

名前を呼ばれて、ドキリと心臓が脈打つ。

「はい…」視線は上を向いたまま返事をした。

「身体の火照りは収まりましたか」

私が目を剥いて絶句してると田中はおかしそうにクスクス笑う。

「本当に性悪ね」

「これでは添い寝ではありません」

「大丈夫!大満足よ!」

「私は不満です」

田中は枕ごと身体を私の方へと寄せた。
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