冷徹執事様はCEO!?
「何でここにいるんだ?」

ようやく信夫が口火を切った。

今日は薄手のブルーのニットに細身のデニムを合わせいる。

シンプルなスタイルだがシルエットのバランスが絶妙で、相変わらずお洒落に抜かりない。

凛々しい眉毛に大きな瞳、そしてぽってりとした厚い唇。

ああ…ヤッパリ信夫の外見ってタイプなんだよな。

田中は整っているが故に中性的だ。

一方、信夫は言い知れぬフェロモンを放出させて、男の色香を感じさせる。

元旦那に何見とれてんだ…私…

ハッと我に返る。

「…どうゆうこと?信夫の妊娠させた相手って亜梨沙だったの…?」

私は掠れた声で呟いた。

「すみません!燁子先輩!」

亜梨沙が目に涙を浮かべて、深々と頭を下げる。

「違うんだ!燁子、俺が全て悪いんだ」信夫が亜梨沙を後ろ手で隠す。

庇い合う二人の姿を見て、頭が真っ白になった。

何をどう言っていいのかわからない。

私は言葉を失い黙り込んだ。

「俺達がここにいるのを知ってて、元旦那を連れて来たんだろ?さっき話していたのを聞いて」

緊迫した空気を田中の毒舌が破る。
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