冷徹執事様はCEO!?
前後の会話から、聡い田中は状況を察したようだ。

「そんな…!私は知りませんでした」

亜梨沙はカッとなり、頬を紅潮させる。

「惚けるなよ」

田中はピシャリと言ってのける。妊婦にも全く容赦なし。

「酷い…」

亜梨沙は傷ついたように目を潤ませた。

「とんだ茶番だな。くだらない」

田中は吐き捨てるように言うと、鋭い視線を亜梨沙に向けた。

不意に力強い手に腕を掴まれた。

「行こう、燁子」

私は無言のまま、田中に導かれるままに席を立つ。

「なんだ燁子も…楽しそうにやってるじゃないか」上擦った声で信夫が言う。

「いやだあ、信夫さん、従兄弟らしいわよ?」甘ったるい声で亜梨沙が言った。

「いい歳した女が親戚と仲良く買い物なんてする訳ないだろ」

田中は侮蔑した表情を浮かべて底意地の悪い笑みを浮かべた。

しかし、底意地の悪さなら亜梨沙も負けはしない。
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