冷徹執事様はCEO!?
肩を抱かれたまま華やかなデパートのフロアを通り抜けて、立体駐車場まで早足で歩く。

一台の赤いワーゲンの姿を見つけた時に、ホッとして腰が抜けそうになる。

田中が肩を抱き寄せたまま支えてくれた。

「ごめん…」

「いえ」

私は田中の広い胸にしがみついた。

「もうちょっと…もうちょっとだけ、こうしててくれる?」

「…ちょっとだけ待っていただけますか」

田中は身体を引き離す。

ワーゲンのトランクを開けると、持っていた買物袋を崩れないよう几帳面に詰め込んだ。

トランクを閉めると、両手を広げる。

「どうぞ」

「え…なんか改めて言われると、照れ…」

言葉を遮るように田中は私を抱きしめた。



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