冷徹執事様はCEO!?
「従兄弟って事にした方が体裁もいいんじゃないかしら。血縁関係じゃないのなら、お金目当ての関係なんでしょう」

先ほどまで目を潤ませていたはずの亜梨沙が、ふてぶてしい態度に豹変する。

ああ、そうだ。これが亜梨沙だ。

欲求に貪欲で、狡猾。そしてプライドが山のように高い。

「亜梨沙…」信夫が諌める。

「だって本当の事じゃない。欲しいものはお金?権力?気取ってるけど結構野心家よね。葛城先輩が弱ってる時に付け入るなんて」

亜梨沙は唇の片端をあげて性悪そうな笑みを浮かべた。

攻撃の矛先は完全に田中に向けられてるけど、婉曲的には私バッシングだ。

その上、実際使用人なのである意味お金目的ではある。

「金ならあるし、権力には興味がない。楽しいから一緒にいるだけだ」

田中は私を護るように肩を抱く。

「行こう、燁子」

田中はにこりと微笑んだ。

こんなに優しい表情も出来るなんて

「うん」私は小さく頷いた。

「結婚式に燁子を呼ぶなんて恥知らずな真似はしないでくれ」

田中は鋭い視線で一瞥すると私を抱きかかえられるようにして、足早にその場を立ち去る。

もう信夫たちの方へ振り向く勇気はなかった。

< 117 / 277 >

この作品をシェア

pagetop