冷徹執事様はCEO!?
郁男おじさんを取り囲んでいたうちの1人が一礼して抜けた隙をついて、すかさず話しの輪に加わる。

「本日はおめでとうございます。新井代表」

私は澄まして挨拶する。

「ありがとうございます」

郁男おじさんは私が誰なのかピンと来てない様子だ。

「私燁子です。葛城燁子です」

「…葛城のとこのあきちゃん?」

「ピンポーン!」私はにっこり笑った。

「ピンポンって…」田中は呆れ顔だ。

「美人になっちゃったから全然わからなかったよ!」

「やだわーもう」私は照れて両頬に手を当てる。

「葛城はアムステルダムにいるから、代わりの者が出席する、とは聞いていたんだけど、匠くんが来るものと思ってたよ。まさかあきちゃんが来てくれるとはね」

郁男おじさんは昔のように頭をポンポンと撫でてくれた。

三十路過ぎの私を子ども扱いだ。

しかし、郁男おじさんは嬉しそうに目を細めているので悪い気はしない。
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