冷徹執事様はCEO!?
「稜、お前燁子に何も話してなかったのか?!」

匠ちゃんは目を丸くして驚いた顔をしている。

田中は無言のまま、人さし指で眼鏡をくいっと上げた。

「俺と稜は大学の同窓生だ」

「やっぱり…そうだったの」

匠ちゃんと同じ大学ってことは…「田中って東大?」

「ちなみに藤原も同窓生だ」田中は否定するどころか補足する。

「この間匠ちゃんが実家に来た時、そんな素振りを全く見せなかったじゃない!」

「資本提携の話が決まる前だったからなー。航生や姉さんもいたし色々バレると厄介だろ」

「意外と世間は広いようで狭いからな」田中も同意する。

「だけど稜と藤原は学生の頃から何かと実家に出入りしてたけどな。燁子は覚えてないか?」

「あんまり」と言って私は曖昧にはぐらかす。やっぱり航生の記憶は正しかった。

「稜は燁子の事覚えてみたみたいだけどな」

「匠、余計なことはいいから」田中は匠ちゃんの話を堰止める。
< 192 / 277 >

この作品をシェア

pagetop