冷徹執事様はCEO!?
「次は婚約の件、だな」

匠ちゃんはの口調は極めてビジネスライクだ。

「燁子、稜と結婚する気はあるのか?」

田中の方にチラっと視線を向けるとバチっと目が合った。

見てる… めっちゃ見てる。

「今は、ない」消え入るような小さな声で私は言う。

「はい、じゃあ白紙と言う事で」

匠ちゃんは、いとも簡単に言ってのける。

「ええっ?!」またもや私と田中は声を上げて驚く。

「おいおいおい、そんな驚く事でもないだろー。その気がないのに無理矢理結婚させて、燁子がまた戻って来ちゃったらどうするんだよー」

「そしたら資本提携の話はどうなるの?」私は尋ねる。

「資本提携はする。葛城商事にとってもepicへの投資は悪い話じゃない。俺はビジネスと今回の婚約の話は切りわけて考えている」

匠ちゃんはキッパリと断言した。

そうなれば、「結婚」というリスク---あくまで田中にとっては、だけど---を背負う必要はなくなるのだ。

私に付きまとう理由もなくなる。
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