冷徹執事様はCEO!?
「あらあらーやってるわねー」

9:00少し前に通いの家政婦である喜久田さんが姿を現した。

「おはよーございます」

すでに大掃除に取り掛かっていた私はリビングのランプを拭きながら挨拶する。

「あら、喜久田さん早かったですね」

ユウキは頭にタオルを巻き、大きなマスクを付け、箒を握りしめながら姿を現す。

「やってるわね、二人とも。私も早速取り掛かるわ」

喜久田さんも張り切って腕まくりをする。

「じゃあ、用意出来たらキッチンをお願いします。燁子はランプ拭き終わったら二階の客室をお願い」

ユウキは怪しげな姿でテキパキと指示していく。

この家の仮・当主である私は、その貫禄の片鱗を見せることなく言われるがまま素直に従う。

二階にあがると客室が四部屋ほどある。

うち一部屋はユウキが私室として使用しているので私は残りの三部屋を掃除することにした。

鍵を開けて中に入る時に少しだけドキドキした。

この部屋は数ヶ月前まで田中が使っていた部屋っだたのだ。

田中が出て行って以来、私はこの部屋に足を踏み入れるのは初めてである。

木製のドアを開けるとギギっと軋む音がする。
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