冷徹執事様はCEO!?
中に入るとセミダブルのベッドに作業用デスク、チェアが一脚置かれているだけでガランとしていた。

壁を埋めつくしてた本やCDは一枚も残っていない。

それでも未練がましく田中の痕跡を探してしまう。

しかし、なに一つ見つけることが出来なかった。

田中が此処にいたのは私の空想の出来事だったんじゃないかと思ってしまうほど。

ベッドにごろりと横たわる。

ここでうたた寝をしていたら、田中が起こしに来てくれないかな。

目から涙が零れ、頬を伝って落ちる。

抑揚のない甘く響く声で私の名前をもう一度読んで欲しい。

甘い妄想に耽りながら私の意識は遠のいていく。
< 203 / 277 >

この作品をシェア

pagetop