冷徹執事様はCEO!?
「二人とも会う度大きくなるね」

家を出た後も、圭人達に会いに匠ちゃんの家にはちょくちょくお邪魔してた。

私と遥さんは歳も同じなので仲良しだ。

「そうね。大分手はかからなくなったけど、なんせ生意気で」

私は否定せずにアハハ、と笑う。

「どう?実家暮らしは?」遥さんは悪戯っぽくニヤリと笑いながら尋ねる。

「そりゃあ快適よ」

「羨ましい。私も双子達がいなかったらとっくに実家へ戻ってたわー」

「遥さんでもそんな事思うんだ」良妻賢母の鏡のような人だからちょっと意外。

「実は昨日も大げんかしたの。今日は一言も口聞いてないんだ」

遥さんは苛立つ気持ちを思い出したのか鼻の頭に皺を寄せる。

「遥さんは愛されているのね」

私の言っている事がトンチンカンだったので遥さんは首を傾げた。

「匠ちゃんはダメだと思ったら笑顔でバッサリ人を切り捨てるじゃない?」

「まあ、ね」

「遥さんの前では理性で感情を押さえる事はしないのね。あの匠ちゃんに気を許せる人がいるって解って安心し
たわ」

「どうかしら」遥さんは肩を竦める。

「あんな我慢ばっかしてたら禿げるんじゃないかって心配してたの」
< 210 / 277 >

この作品をシェア

pagetop