冷徹執事様はCEO!?
「だけど、あの後に会ったガールフレンドに、赤のランジェリーを着けて来てもらった」

「そのガールフレンドってまさか…」

私は眉間に皺を寄せて稜をジロリと睨みつけた。

「安心しろ、リナとは違う別の友達だ」

安心する訳ない。寧ろ不安になる。

「其れってリナの他にも女がいるって事よね」

「とんだやぶ蛇だな」

自分の不用意な発言で、相手を傷つけた事が解らないようだ。

田中は凄く頭が良いのだろうけど、人として肝心なところが微妙にズレている。

「貴方ね、自分は色んな女と遊びまくっておいて、よくも私を独占したかった、なんて言えるわね」

「日々鍛錬していたんだよ。燁子を悦ばせるためにね」稜はシレっと嘘を言ってのける。

確かに其れは実践で活かされている。けど、言わないでおこう。

「10年間ずっと鍛錬してたとは、大したものね」私は嫌みタップリに言った。

「…気持ち悪いと思ったか?」

「そりゃ思うわよ。複数の女性と同時進行で遊びまくってるなんて、とんでもないわ!」

稜は、そうじゃない、と自嘲気味に笑いながら言う。

「10年間、ずっと燁子とこうゆう関係になるものだと本気で思い続けていた。嫌われていたのにも関わらず、だ」

眉根を寄せて、いつもの稜らしからぬ自信なさげな話し方だ。

私に引かれていないかと本気で心配しているようだ。

「馬鹿ね」その様子がなんだか愛おしくて思わず微笑んでしまう。

「嬉しいに決まってるでしょう」

稜はホッとしたように顔を綻ばせる。子どものような無邪気な笑顔にクラクラしてしまう。
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