冷徹執事様はCEO!?
「じゃあさ、一緒に寝ようよ」

「は…?」

「田中も眠れるし、私の気分も収まるでしょう。一石二鳥」

私はどや顔する。

「わかりました。もうどうでもいいです」

田中は虚ろな目で投げやりに言う。

「とりあえずシャワー借りますね」

田中は勝手に人のクローゼットを開けると、ピンクのバスタオルを取り出し、そそくさとバスルームへ入っていった。


兄妹達が帰ると広すぎる屋敷に独り取り残されたようで、私は無性に寂しくなった。

誰か側にいて欲しくて、下手な嘘まで着いて無理矢理田中を引き止めたんだ。

例え身体を使ってでも… 。

まあ、思いっきり拒否られたけどな… 。

私は自嘲気味に笑った。


暫くすると田中はサッパリした顔で髪を拭きながら戻ってくる。

「燁子様も入ってきた方がいいですよ」

田中はチェストの中にあるミニ冷蔵庫から、私が買い置きしていたビールを取り出し、当たり前のように飲んでいる。

バスタオルといい、備品の配置まで私の部屋を熟知している。

すっかり寛いだ様子だ。

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