鳥籠の姫
 


思い出したいのに、思い出せない。


なんかムズ痒いな…。歯痒いな…。

なんて私は無力なんだろう。




ここに永いこと居るためか、私は自分から考える事を放棄するのが多くなった。

いや、もしかしたら違うかも……。

あの人が、あの声が、あの甘い声が、あの優しい仕草が、感触が、瞳が、眼差しが――優しさが――・・・



    毒の様に私を侵食する

    犯してくる

    自我を溶かしていく

    もう、離れなくなる。





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