鳥籠の姫
「ほら、ほら…おいで……」
限界まで手を伸ばしても、届かない。
そんな現実が悲しくて、虚しくて、私は必死に手を伸ばす
嗚呼、そう言えば…
前にもこれと似たような事があったな……
..
私はまた、届かないのかな・・・?
なんて無心の頭の端で思う。
あれはいつ頃だった・・・?
まだ、お父さんもお母さんも居た頃じゃないの?
もう明確な時間なんて分からない。
分かるのは、ただそこにあった――
――と言う記憶だけ……。
思い出したいのに、頭が割れそうに痛くなる…