君色〜キミイロ〜

「その3年生だった男ね?
広樹って言うんだけど,広樹はツトムの憧れだった。ツトムはいつも広樹を追いかけてた。」


「美咲さんとも知り合いだったんですか?」


「ううん。美咲さんが知り合いになったのはツトムの紹介で。ツトム人良いからさ,わざわざ広樹さんに紹介したのよ。」


わかる…。

橘さんならやりそうだ。


「それから広樹と美咲さんはツトムに秘密で約束をしてたの。」


「何を…?」


絵里さんの目から優しさも
悲しさも消えて


何の感情もない表情へ変わった。


「ツトムのコンセプトが決まったら…それを俺に教えて?俺がもっと素敵にしてあげるから。って…」


「っひどい…。」


私の目からは今にも涙がこぼれそう。


「ツトムが美咲さんの為に必死に考えたデザインをね,美咲さんは広樹に売ったの。何だかんだで…広樹はツトムの才能をひがんでたのよ。」


そんな……

顔から血の気が引く。


「美咲さんはね,自分をより美しくしてくれる人にひかれたの。ツトムを好きだった…というよりか才能を自分のものにしたかったのよ。」


「…んで…?」


「えっ…?」


「なんで…?こんなに…こんなに二人…幸せそうに笑ってるのに…」


「莉緒ちゃん…」
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