君色〜キミイロ〜
「かなり順調だった。ツトムは1年生なのに,才能があったから。
ものすごくね。」
「そんな気がしました。…橘さん,プロの顔してますもんね。」
「うん…そうね。莉緒ちゃんにはわかってるのね。」
絵里さんは優しく笑った。
「美咲さんもね,惚れ込んでた。
…でもね…」
絵里さんはさっきの表情とはうって代わり
悲しげに眉を寄せた。
「彼女はツトムを裏切ったの。」
「裏切っ…た…?」
「うん。卒業イベントの前日にね,当時3年生だった男のモデルをいきなり引き受けて…ツトムは出れなくなった。」
は…?
「何それっ!!」
思わず大声を出した。
だって…だっておかしいよ!
何で橘さんのモデル辞めちゃったの?
絵里さんは冷静に続ける。