イケメン先生は危険男子でした!?
「どういう事なの!?」


栄子ちゃんがさっきよりもハッキリとした口調でそう言った。


まるであたしがののしられているように感じて、胸が痛む。


「ち、違うの! これはっ……」


咄嗟になにか言い訳をしようとして口を開く。


しかし、あたしの言葉を先生が止めたのだ。


「俺は野上と付き合っている。だから、お前の気持ちには答えられない」


「先生……!?」


栄子ちゃんの前で堂々とそう言いきった先生に、あたしは目を見開く。


普通のファンの子よりもずっと熱心な栄子ちゃん。


そんな事実を突き付けられて冷静でいられるとは思えなかった。


次の瞬間、栄子ちゃんの表情は見る見る苦しみに歪んでいった。


そしてその歪んだ表情のまま、ボロボロと涙をこぼし始める。


「柳本先生が幸せなら……それでいい」


栄子ちゃんはか細い声でそう言い、笑顔を浮かべた。


「……栄子ちゃん……」


「あたしは、先生に幸せになってほしいだけ。だから……先生が幸せなら、あたしはもうここには来ないよ」


「……あぁ。俺は幸せだ」


「よかった……」


栄子ちゃんの涙はスッと消えて、最後に本当の笑顔を向けてあたしたちの前から消えたのだった。
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