イケメン先生は危険男子でした!?
「先生、あたしに話って……」


そう言いかけた時、先生が無言であたしの手を掴み【資料室】へ引き込んだ。


「きゃっ!?」


グイッと強く引かれたため、体のバランスを崩して先生の腕の中で抱きとめられる格好になった。


至近距離で先生の香水をすぐ近くに感じる。


「せ……先生?」


焦るあたしを無視し、先生はドアを閉めてカギをかけた。


カギのかかるカチャッという冷たい音が部屋に響いて、一瞬ビクッと身を縮める。


「お前さぁ」


先生があたしから身を離し、そう言う。


怒られると思い込んでいるあたしは、反射的にキュッと強く目を閉じた。


「安岡と杉田に脅されてんの?」


「……へ?」


あたしは先生の言葉に恐る恐る目を開ける。


そこには心配そうにあたしの顔を覗き込む先生の顔。
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