届かなくても、
「もう一度、ひどいって分かってるけど聞く。



蛍のこと、好き?」




蛍のこと、好き?

けいのこと、すき?

ケイノコト、スキ?



頭に響く。


ピンポン玉が頭の中を跳ね回っているように。




「…………分かんないよ、そんなの!!」




「…」





「だって、4年も離れてたんだよ!?




蛍は成長してる!!私も!!





日が経つほどもう顔が思いだせないの!!」





「…そっか。」




「なんで皆私を一人にするの!?




確かに私が選んだ選択だよ!!




だとしても偶然過ぎるよ…」




私は俯いた。



修也は何も悪くない。




何やってんだろ、大学生になるのに。




馬鹿みたい。


感情表に出して。





「…姫さ、事故ったんだ。」





頭を殴られた感覚が私を支配した。



もう、このまま死んでもいいくらい。




そっか、いつも返してくれるメールが



最近返って来ないと思った…





「昏睡状態。



意識、回復せず。だってさ。」



「ひどいね、修也。



ひどいよ…」




なんで、私が傷ついてるところを抉るの…?
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