俺様社長に捕らわれて
「社長に何か言われたんですか?」
「……もう上がっていいと…」
「あぁ…。もうそんな時間なんですね」
「勝手に美容室を予約されてて、今から行かなければいけないんです。……もしかして、田中さん、知ってましたか?」
「えぇ…。何せ、お店の予約を取ったのは、私ですから」
「………」
「我が社にとってあまり関係のないパーティーとはいえ、パーティーに出る以上、お嬢様には着飾っていて欲しいんですよ」
「でも、まだ就業時間中なのに…」
「まぁ、それは社長命令とでも受け取っておけば、少しは心が楽になるんじゃないですか?」
「…確かに…」
「さ、早く行かないと予約の時間になってしまいますよ?」
「あっ……田中さん、すみません。お先に失礼します」
「いってらっしゃいませ」
美優は急いで荷物を纏めると、美容室に向かった。
美容室は会社の近くにあり、5分も掛からずに着いたのであった。